藤井聡太竜王と同学年 「孤高」からの2年半 将棋棋士五段・伊藤匠
将棋の伊藤匠五段(20)は同学年の藤井聡太竜王(20)に続く新時代の旗手として期待を集めている。7日、昇級を目指している第81期名人戦・C級1組順位戦で千葉幸生七段(43)戦に臨む直前にインタビューをした。駆け上がっている現在地を、前を走る者を、そして順位戦をどのように見つめているのかを聞いた。
夜、研究を終えてから走るようになった。勝つために。
伊藤匠は静かに、ささやくように語る。
「最近は週4日くらい走っています。距離は2キロですけど。全く運動をしないと太りますし、体形を維持しないと対局で正座し続けるのがキツくなるんです。一時期より2、3キロは痩せたと思います」
今年は元日から練習将棋に明け暮れた。もちろん勝つために。
圧倒的タフネスと求道的ストイシズムにより「軍曹」の異名を持つ永瀬拓矢王座の研究室に赴き、盤を挟むことから2023年を始めた。
「お正月でも、普段と何も変わらない様子で(笑)。永瀬先生とは1月2日も将棋を指させていただいて、3日と4日は別の研究会を。ひと月に10回から15回くらいの研究会をしていますけど、今は皆さんの研究が深くて、ちょっとぐらいではすぐ追いつかなくなる。いつも感じるのは、定跡のリーチ(研究範囲)は長くなっているな、ということですね」
棋士になる前は熱心にテレビ観戦していた中日ドラゴンズの試合は全く見なくなった。
藤井聡太竜王と同学年。子ども大会で勝って藤井少年を号泣させた挿話で語られることの多かった伊藤匠五段。デビューから2年半、タイトル挑戦も現実味を帯びる現在地は、順位戦への思いは。「だから……藤井さんには君臨し続けてほしいんです。自分が挑戦し続けたいですから」
こんなことも、全て端を発しているのは勝つための願いにある。
「チームの現況を全く追えて…
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