思わず「超絶技巧」手と言った数学的な解 佐藤天彦九段がみた名人戦

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構成・北野新太
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 渡辺明名人(38)に藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせ六冠=が挑戦する第81期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)。5、6日の第1局で先勝した藤井竜王自身が「難解な将棋」と振り返った対局について、現地での大盤解説会の解説も担当した元名人の佐藤天彦九段(35)はどう見たのか。

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 大盤解説会で「超絶技巧手」と表現した一手があります。終盤の図の局面で渡辺さんが攻め合いに行った▲2一馬に代えての▲7七銀です。

 後手の桂の利きに当たりに行っているし、△5七桂不成▲5九玉△1五角と出られてしまうので、対して▲2六歩という屈服の手を指さなければいけない。指しづらい要素が満載なんですけど、全てを緻密(ちみつ)に計算し尽くすと、この手しかないというのが▲7七銀でした。

渡辺名人と藤井竜王、それぞれの将棋をもし音楽に例えたら――。名人3連覇の実績を持つ佐藤九段に、佐藤九段らしい表現で読み解いてもらいました。

 後で聞くと渡辺さんも藤井さ…

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この記事を書いた人
北野新太
文化部|囲碁将棋担当
専門・関心分野
囲碁将棋