第13回日本の学校「出る杭は打たれる」 不登校を経て移住、見つけた居場所

有料記事わたしが日本を出た理由

平井恵美
[PR]

わたしが日本を出た理由 マレーシア編②

 「何でうまくいかないんだろうと悩んでいたが、この国に来て気持ちが晴れた」

 16歳の双子の兄弟を育てる得丸祐子さん(49)は2019年末、中学1年だった兄弟を連れ、首都圏からマレーシアに移住した。

 兄弟は日本では学校に通うことが苦しかったという。兄の創生(そう)さんが学校に行かなくなったのは私立小3年生の頃。いじめなどのきっかけもなく、原因は分からなかった。

 創生さんは「話を聞いてくれない担任の先生も嫌だったし、勉強がうまくいかなかったことも(不登校の)最初のきっかけ」と振り返る。授業は分かっても暗記が苦手で、テストで点が取れずに徐々に自信をなくしたという。

教育委員会から詰め寄られ

 専門家に相談すると、ワーキ…

この記事は有料記事です。残り1766文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2023年5月24日11時0分 投稿
    【視点】

     「出る杭は打たれる」日本の悪しき習慣は一日でも早く治すべきところ。多様性があり、個性の強いこそ、何かが起こっても柔軟に対応でき、結局は生存確率も増す、強く持続可能な社会を生み出すという認識を広めることが大事です。そのために教育の役割が必要

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    高橋末菜
    (朝日新聞経済部次長)
    2023年5月24日12時31分 投稿
    【視点】

    子どもが学校を休みたがるとき、子どもではなく、親である私自身が試されている気がいつもしています。 「おなか痛いの?トイレに行けば大丈夫じゃない?」 口元から飛び出しそうなそんな言葉を飲み込みます。「学校でなにかあったの?」と急に問い詰

    …続きを読む

連載わたしが日本を出た理由(全21回)

この連載の一覧を見る