「一刻も早く国会で議論を」 同性婚めぐる福岡地裁判決、原告の願い

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渕沢貴子
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 「憲法24条2項に違反する状態にあると言わざるを得ない」。裁判長の言葉に、原告席にいたまさひろさん(35)は涙をぬぐった。「幼少期からの生きづらさは間違いじゃなかった」

 憲法24条2項は「配偶者の選択、(中略)婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と定める。

 同性婚を認めない法規定が憲法に反するかが争われた福岡地裁判決は、この条項に関して「違憲状態」と認めた。これで、五つの地裁判決のうち、四つが「違憲」または「違憲状態」と認めたことになる。判決後の会見で、原告たちは「一刻も早く国会で議論を始めてほしい」と訴えた。

 判決後に福岡県弁護士会館で開かれた原告側の記者会見。原告6人のうち、ファーストネームを公にして裁判に臨んだ4人が出席した。その言葉に、虹色のアイテムを身につけた支援者らも聴き入った。

 弁護団による判決内容の紹介に続き、会見に出られなかった子育て中の同性カップルの原告のコメントが読み上げられた。「訴訟に関わって3年になります。私たちも歳(とし)を重ねたし、子どもの背は20センチ伸びました」「私たちはいつになったら、家族で、この国で、安心して暮らしていくことができるのだろうか」

社会通念がまだ同性婚を認めるには足りないと言われるのはしんどい」

 福岡地裁判決は、憲法の各条…

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