関東大震災がいま起きたら? 研究者が指摘する現代都市の強さと弱さ

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聞き手・増田勇介
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 関東大震災から間もなく100年。神奈川県は2015年に地震の被害想定調査をまとめ、様々な想定地震のなかで関東大震災と同様の「大正型関東地震」の被害が最も大きいと試算した。いま起きたら、どのような被害が起きるのか――。調査委員会の委員長を務めた吉井博明・東京経済大名誉教授(災害情報論)に聞いた。

想定は100年前と同じ死者3万人以上

 ――関東大震災の特徴は

 「8、9割は火災による死者です。建物被害も大半が延焼で、火災がなければ被害は一桁少なかったでしょう。ただ、神奈川県は震源地そのものだから、揺れも相当激しかった。列車が落ちた根府川地区(小田原市)の土石流の災害もあった。昼間の被災だったので、津波の犠牲者は意外と少なかったのかなという印象です」

 ――県内は行方不明も含めて約3万3千人が犠牲になりました。被害想定も死者3万1550人です。100年たって都市化や耐震化は進みました。どういった被害を想定していますか

 「建物被害による犠牲者は1万5110人という想定です。耐震化が進み、全壊住宅は減ります。火災による死者は昼間だと500人ぐらい。関東大震災の出火原因はかまどの火種などでしたが、今は電気やガスが火元なので消えやすいです」

 「木造住宅が密集し延焼の危険性が高い地域も東京よりは少ないが、神奈川県内にも茅ケ崎市の南などに大規模な延焼危険地域があります」

津波被害が多い想定の理由は

 「関東大震災で犠牲者が増え…

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この記事を書いた人
増田勇介
横浜総局
専門・関心分野
地方自治
関東大震災100年

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