どこでも発電可能、ペロブスカイト太陽電池とは? 世界で開発加速
次世代の太陽電池として「ペロブスカイト太陽電池」に注目が集まっている。窓や壁に貼れたり、室内でも発電できたりする使い勝手の良さから、実用化に向けた研究開発が国内外で加速している。
太陽電池といっても、材料はさまざま。現在普及している太陽電池の95%以上がシリコン太陽電池だ。
ただ、シリコンは薄くすると割れるため、厚みが必要となる。重さは1平方メートルあたり10~15キロで、設置場所は強度のある建物の屋根や屋上などに限られる。複雑な製造工程で、コストが高いことなども課題だった。
これらをクリアしたのがペロブスカイトだ。ペロブスカイトとは、結晶構造の一種。ヨウ素や鉛などの結晶でできた膜で発電する。厚さ1マイクロメートル以下というペラペラの薄さでも発電できる。重さもシリコンの10分の1ほどになる。
折り曲げにも強く、従来は難しかった場所にも設置可能だ。薄いガラスやプラスチックの基板に、材料を塗布すれば簡単に低コストで製造できる。さらに、曇りや雨の日でも、室内の光でも発電できる。
光が当たると、ペロブスカイトの層が光を吸収し、原子から電子が外れて、電子の抜け殻部分「正孔」ができる。電子はマイナス、正孔はプラスの電荷を帯びる。
ペロブスカイト層は電子を通す層と正孔を通す層に挟まれている。電子と正孔はそれぞれの層に移動し、両側の電極に分かれることで、発電する仕組みだ。
研究の始まりは大学院生の一言
ペロブスカイト太陽電池の開発者の一人が桐蔭横浜大の宮坂力(つとむ)特任教授。もともと、色素や酸化チタンなどを使った発電を研究していた。転機は2006年。当時大学院生だった小島陽広さんの「色素をペロブスカイトに換えたものを作りたい」という一言でペロブスカイトの研究が始まった。
光のエネルギーを電気に変え…
- 【視点】
目指すところを明らかにすることで、こうしたイノベーションが色々と起きてくるのだと思います。あとはどうやって広げるか。サステナブルな技術をどんどん伸ばしていく政策が益々重要になってくると思います。そのためには、まずは基本法などで、政治的意思
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