岸田文雄首相は13日に行われる自民党役員人事、内閣改造をめぐり、過去最多となる女性閣僚登用などの方針を固めた。しかし、来春の自民党総裁選での再選をにらんだ党内の「内輪の論理」を優先している側面もあり、今後の政権運営をめぐって二つのリスクも抱える。
「挙党一致態勢にほど遠い」 冷めた声も
ある無派閥議員は今回の人事に「挙党一致態勢にはほど遠い。総裁選で再選するために、首相は麻生派や安倍派の取り込みを図った」と冷めた口調で語る。
首相は今回の人事で小渕氏や上川陽子氏ら女性議員の多数登用などで刷新感を演出した。だが、その内実は、来秋の自民党総裁選での再選をにらみ「内輪の論理」を優先したため、派閥の意向に配慮した順送り人事が目立ち、幹事長や官房長官など政権の骨格も維持。党内では「総裁選を無風にしようとするあまり、人事がどんどん内向きになり、国民の支持が離れるのではないか」(衆院若手)との声もあがる。
さらに今回の人事は二つのリスクを抱える。
一つ目は、要職に就く人物たちの抱える政治スキャンダルだ。
「目玉人事」の小渕氏は20…