「推し」農家見つけませんか? 農家と消費者がつながる新たな仕組み

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西江拓矢
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 農家にとっては経営安定につながり、消費者は「推し」農家を応援できる。「CSA」(地域支援型農業)という取り組みが、国内でもじわりと注目を集めている。

 神戸市の西島陽子さん(43)は水曜日になると、自宅から車で10分ほどの農園事務所で「野菜セット」を受け取る。

 ベビーリーフ、ネギ、ラディッシュなど、旬の野菜がぎっしり。CSAに取り組む有機農家らのグループ「ビオクリエイターズ」が育てたもので、毎回約10種類の野菜がセットになっている。

CSA 1980年代半ばに米国で始まったとされる。会員は半年や1年など、一定期間の購入費用を農家に前払いし、農家はそれを種代、肥料代に充てて生産する。生産者は経営リスクを減らせるうえ、持続可能な生産が可能になる。消費者も「顔の見える農家」から新鮮な農産物を購入できる。

 西島さんは3人の子どもたちに有機野菜を食べさせたいと、CSAの会員になった。野菜セットの中身には「季節が感じられる」と満足げだ。

 野菜セットを取りに行くと農家の人と話をしたり、近くの畑を見たりもする。子どもの食育にもつながり、食材を買うこと以上の価値を感じるという。「常に畑と接している感覚。野菜にも農家の人柄が感じられます」

 ビオクリエイターズがCSAを始めたのは、2016年のこと。中心メンバーの大皿一寿さん(56)が、出店したファーマーズマーケットで外国人客に「CSAはやらないのか」と聞かれたことがきっかけだ。

 有機農業に取り組んでいた大皿さん。手間がかかった分、売値も高くなりがちで、どう売ればいいのか悩んでいた。CSAの仕組みを学び、「社会実験」として始めた。

記事の後半では、オフィスに野菜を届ける「職場CSA」、大阪の中心街に野菜を運ぶ農家の取り組みなど、様々なCSAを紹介します。

 現在、大皿さんのCSA仲間…

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