第2回小2で気管切開、涙の入院…自らの体に向き合い「個性の一環やなと」
宮崎響(ひびき)さん(12)が生まれた日のことだ。
昌明さん(56)、麻貴子さん(50)夫妻にとって初めての子ども。出産後、分娩台(ぶんべんだい)の麻貴子さんは、タオルにくるまれた響さんを一目見て「かわいい!」と感激した。ところが、響さんはすぐに別室に連れて行かれてしまった。
廊下で待っていた昌明さんは、医師から響さんの体に重大な異常があると告げられた。ショックを受けてその場で倒れ、別の病院に運ばれた。
やがて戻ってきた昌明さんと麻貴子さんに、医師は「脱臼か奇形かわかりません」と言った。「命に関わることですか?」と麻貴子さん。医師が「それは大丈夫です」と答えると、麻貴子さんは即答した。「それならいいです」
様々な職を経験し、詩吟の師範でもある麻貴子さん。「周りは将来を心配していましたが、私の娘やから大丈夫やろ、と思ってました」。いまは、亡き母親が地元で営むスナックを継ぎ、カイロプラクティックの施術者の昌明さんと共に家計を支える。
両親、親戚から愛されて育った響さん。祖父の詩吟教室に3歳から通い、年配の生徒らにかわいがられた。保育園にも車いすで楽しく通った。
人工呼吸器が日常的に必要な「医療的ケア児」の中学1年生、宮崎響さん。本人と両親に、これまでの歩みを振り返ってもらいました。
体調急変 「響ちゃんは賢い。大体のことは理解していました」
そんな響さんの体調が急変し…
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