【そもそも解説】106万円と130万円の「年収の壁」、どう違う?

有料記事そもそも解説

浜田陽太郎
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 岸田政権が「経済対策」の一環として打ち出した「年収の壁」支援。そもそも「壁」とは何か。解説します。

 Q 「年収の壁(かべ)」とは?

 A 社会保険の被(ひ)保険者は1~3号に分かれ、「1号」と「2号」は自分で公的年金や健康保険の保険料を払(はら)う。一方、会社員や公務員の配偶者(はいぐうしゃ)に扶養(ふよう)される「3号」は自分では保険料を負担しない。だが、収入が一定以上になると、保険料を払う必要が生じる。「本人負担ゼロ」から「負担あり」になれば、手取り収入は減る。そのボーダーラインが「壁」として認識されている。

 Q 何が問題なの?

 A 「3号」の人が扶養の範囲(はんい)内で働こうとして、まだ働けるのに労働時間を減らす。こうした「就業調整」が年末などの繁忙(はんぼう)期に起きて、人手不足に拍車(はくしゃ)をかけているとの声が、サービス産業など企業(きぎょう)から上がっていた。

 Q 「壁」の具体的な額は?

 A 大きく2種類ある。一つ…

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この記事を書いた人
浜田陽太郎
論説委員|社会保障担当
専門・関心分野
社会保障、定年後