生殖機能残した性別変更認める 健康上の理由配慮 家裁が異例の判断

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二階堂友紀
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 健康上のやむを得ない事情を抱えるトランスジェンダーについて、家庭裁判所が、もとの性別の生殖機能を残したまま、戸籍上の性別変更を認めたケースがあることがわかった。性同一性障害特例法は性別変更の要件として生殖機能の喪失を求めており、担当した医師は「同様の事例は聞いたことがない」と話している。

 生殖不能要件をめぐっては、静岡家裁浜松支部が今月、憲法違反との判断を示した。25日には最高裁大法廷が憲法判断を下す見通しで、要件の妥当性が注目されている。

男性ホルモンの投与が困難

 今回のケースは、今年3月のGID(性同一性障害)学会の発表のなかで言及された。発表した医師によると、当事者は40代で、女性から男性に性別移行したトランス男性。男性ホルモンの投与を行うたび、命に関わりかねない身体症状が起こり、ホルモンの継続投与が困難な状態だった。

 特例法では、女性から男性へ…

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この記事を書いた人
二階堂友紀
東京社会部
専門・関心分野
人権 LGBTQ 政治と社会