施設の命名権、売ります! 光熱費や物価の高騰、厳しさ増す大学経営
空色の「Sky」の文字が、柱や窓などにおどっていた。
福岡市西区の伊都キャンパスにある九州大の中央図書館。巨大な建物の4階の一角に、学生たちが自習したり議論したりする約1千平方メートルのアクティブラーニングスペース、「Sky Cute.Commons」がある。
昨年8月、九州大はこのスペースのネーミングライツ(命名権)を3年間、ソフトウェア開発会社「Sky」に売却した。石橋達朗総長は「光熱費や物価の高騰で財政が厳しさを増すなか、貴重な収入になる。現在売却しているのは4カ所で、3年間の合計が数千万円の収入だが、募集に力を入れて、もっと増やしたい」。
同大が2022年度に支払った光熱水費は、21年度から17億円増え47億円弱。石橋総長は「命名権の売却益自体は小さくても、企業とウィンウィンの関係になれる取り組み。企業からの寄付や産学連携などにもつなげ、教育や研究にかかる費用を補いたい」と話す。現在も、学生サロンや体育館など21カ所で命名権を購入する企業を募集中だ。
「ひらく 日本の大学」調査 朝日新聞と河合塾が共同で、2011年から全国の大学(大学院大学、通信制のみの大学はのぞく)を対象に実施。今年の調査は6~8月に778大学に行い、643大学(83%)から回答を得た。
同大は国立大ではいち早く…
- 【視点】
「国立大の23年度の光熱費見込みは1095億円、21年度から6割以上増」とのこと、驚きました。さらに経費削減のために、研究を止めてエアコンやパソコンをオフにしたり、図書館の本や電子ジャーナルの購入を断念したりしているなんて。たとえば誰かの実
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