不振の楽天、みずほが追加出資 モバイル赤字継続 追われる資金調達

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松本真弥 山本恭介
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 楽天グループは9日、傘下の楽天証券がみずほフィナンシャルグループ(FG)から約870億円の追加出資を受けると発表した。財務を立て直すため楽天証券の持ち株会社を上場させる方針だったが、早期の実現が難しくなったとみられる。楽天Gは携帯事業の不振による赤字が続き、資金調達に追われている。

 みずほFGが子会社のみずほ証券を通じて、12月15日に楽天証券の株式29・01%を追加で取得する。出資比率は現在の19・99%から49%に増えるが、過半数は楽天Gが維持する。

 みずほFGは昨年、楽天証券の株式の約2割を約800億円で取得し、持ち分法適用会社とした。今回の追加出資で、楽天証券を通じて若年層や投資経験が少ない顧客の取り込みを加速させる。

 顧客基盤が若く、証券口座数を多く持つネット証券を巡っては、三井住友FGが、SBIホールディングス(HD)に出資したり、NTTドコモマネックス証券の子会社化を決めたりと、連携や争奪が激しくなっている。

 楽天Gは、楽天証券を傘下に置く楽天証券ホールディングス(HD)について今年7月にしていた上場申請をいったん取り下げることも発表。ただ、上場方針は維持し、再申請のタイミングを探るとした。

 楽天Gの三木谷浩史会長兼社長はこの日の会見で、みずほFGによる追加出資の狙いについて、「楽天はデジタルに非常に強みがあり、NISAの総口座数はシェアナンバー1。対面(での事業)に非常に強いみずほと、さらに強いパートナーシップを作っていく」などと述べた。

 追加出資を受ける背景には楽天の苦境がある。

 楽天Gがこの日発表した20…

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