岸田文雄首相が年内の衆院解散・総選挙を見送る意向を固めた。時間的猶予が与えられた立憲民主党だが、首相が不人気のうちに衆院選を迎えたかったと残念がる声も。立憲が目指す候補者一本化の動きもいまだ進展の兆しはなく、妙手が見えない状況が続いている。
年内解散見送りが報じられた9日、立憲の若手議員は「減税で首相のイメージが悪化した今、選挙があった方が有利だった」と肩を落とした。党重鎮も「もし選挙直前に首相が代わるようなことになったら、うちには嫌なパターン。誰でも最初はご祝儀で勝ってしまう」。不人気の首相がこのままずるずると解散できずに辞任に追い込まれて交代した場合、野党は苦戦するとの見方を示した。
一方、立憲に代わって野党第1党を目指すと公言し、単独での議席増を狙う日本維新の会は歓迎ムードだ。馬場伸幸代表は9日の会見で、「時間が経つほど(候補者の)擁立は進む」と語った。維新はすでに約150人の擁立を決め、立憲の約160人に迫る勢いだ。
今回の解散見送りで、立憲としては新たな候補の擁立作業など、図らずも選挙準備に充てる時間はできた。とはいえ、野党の候補者一本化に向けた調整に弾みが付くというわけではない。その現実が改めて労働組合の中央組織・連合から突きつけられた。
連合の芳野友子会長はこの日…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら