野菜ロッカーに朝から行列 出会いも育む東京・練馬区の「都市農業」
太田原奈都乃
東京都練馬区は国内有数の「都市農業」の地だ。大都市ながら住宅街の一角で農業が営まれ、新鮮な野菜が手に入る。畑は人と人が出会い、交わる場にもなっている。19日には、全国から都市農家が集まるイベントが開かれる。
11月中旬の土曜日。朝8時の住宅街の一角に、長い列ができていた。「今日は早いね」「お隣さんに配ろうかと」。顔なじみの住民たちが言葉を交わし合う。
コインロッカー式の無人直売所。100円玉を3枚入れて扉を開けると、とれたてのミニトマトが10個以上入っていた。ホウレン草、ブロッコリー、キャベツ、区特産の練馬大根――。区内では、あちらこちらで旬の野菜が売られている。
「土ぼこりが舞う」「肥料のにおいが…」
23区の農地は約440ヘクタール。このうち4割が、練馬区にある。
戦後は都市化の波にのまれ…