上場廃止の意義は「社員本来の力の発揮」 東芝・渡辺取締役会議長

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聞き手・奈良部健 杉山歩
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 国内投資ファンド日本産業パートナーズ(JIP)に買収された東芝が22日、上場廃止の手続きを行うための臨時株主総会を開く。JIPは株式公開買い付け(TOB)で8割近くの株式を握っており、手続きは可決される見通し。上場廃止は12月20日に予定されている。総会を前に、東芝の渡辺章博・取締役会議長が朝日新聞のインタビューに応じた。

 ――東芝はJIPによる買収を受け入れ、非上場化することを決めました。この道を選んだ意義はどこにあるのでしょうか。

 最大の利点は、ただ一人の株主と会話をしながら経営ができることです。株主の意見がたくさん出て迷走していた会社にとっては、大きなメリットになります。株主はインサイダー(内部者)として経営を見て、改革を手伝い、支えることができます。

 東芝が(2015年の不正会計問題の発覚から)8年間の過去を引きずった状態で今後も上場を維持すれば、信頼を失ったまま「ダメな会社だ」という報道が出続けます。

 会社の形も、上場を維持するのかしないのか、事業ごとに分割するのかしないのかが定まらない状態が続きます。これが一度落ち着いて社員が仕事に集中し、本来持っている力を発揮できれば事業は良くなります。

 ――これまでのプロセスで…

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