ファンが「推し」を殺した後にやりたかったこと ゆがんだ欲求の先に
東京・池袋のラブホテルで昨年7月、「地下アイドル」の女性(当時18)が殺害され、ファンだったという男(39)が起訴された。「推す」「推される」という相互の関係が事件にまで発展した背景には何があったのか。判決が指摘したのは、「一方的な怒り」。そして、「独りよがりな欲求」だった。
9月下旬、東京地裁であった初公判。被告は白いワイシャツに青色のネクタイ姿で出廷した。1年あまり前の逮捕時には黒髪が目元まで伸びていたが、丸刈りとなり、髪は真っ白になっていた。
ホテルの一室で女性の首を絞めて殺害し、頭部を包丁(刃渡り17・5センチ)で切断して損壊した――。殺人と死体損壊、銃刀法違反の罪で起訴された内容を、被告は「間違いありません」と認めた。
検察側と弁護側の冒頭陳述などをもとに、事件に至った経緯をたどる。
被告は高校卒業後、宝石店やファストフード店などに勤務。実家で母親と2人で暮らしていた。当初はメジャーグループのアイドルが好きだった。だが、10年近く前から、ライブハウスなどを中心に活動し、ファンとの距離が近い地下アイドルに関心を抱くようになった。
女性と知り合ったのは2019年秋。東京・錦糸町であったイベントに出かけた際、アルバイトとして働いていたのが女性だった。その後、女性が働く歌舞伎町のコンセプトカフェにも通うようになった。
女性は中学生のころ、姉と一…
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