米中「有事」の備え日本に欠ける思考 「罠」に陥らないための戦略は
編集委員・佐藤武嗣
今回は、外交・安全保障における「用語」解説の第3弾です。今回は「用語」といっても、昨今の安全保障環境を受けて、最近よく登場する「メタファー(比喩的表現)」について、ご紹介したいと思います。
「米中が共に戦争を望んでいないにもかかわらず、衝突する『罠(わな)』に陥りかねない」
米ハーバード大ケネディ行政大学院初代学長で、国防次官補も務めた政治学者のグレアム・アリソン氏は、著書「DESTINED FOR WAR(邦訳:米中戦争前夜)」でこう警鐘を鳴らし、その罠を「トゥキディデスの罠(Thucydides Trap)」と呼びました。
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