覚える世界史を「考える」に 教壇に戻った校長のノート使わない授業
板書の時間を極力減らし、生徒はノートを使わない。暗記中心の教育のあり方を変えたいと、今春に校長から教壇に戻り、「対話を重ねる授業」を実践する世界史の先生が、長野県伊那市の高校にいる。歴史について「様々な情報から何を事実として見いだすのか、意識して欲しい」との願いを込め、覚える世界史から、考える世界史への転換をめざした授業を続けている。
伊那弥生ケ丘高校で「世界史探究」の科目などを担当する小川幸司教諭(57)。2022年度に、世界史と日本史を融合して新たに導入された高校の新科目「歴史総合」の立ち上げにあたって、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)のワーキンググループでその設計にも携わった。
小川さんの授業でノートを使わないのは、限られた55分間の授業で板書の時間を減らして、対話の時間を確保するため。その代わりに生徒は、教科書に線を引き、黒板に書かれた補足の説明を書き込む。ユーチューブなどで現地の映像も交えて理解を広げる。
ペルシャ戦争をペルシャ側の視点で考えてみる
試験前には参考書を使うこともあるが、普段の授業では対話の時間を大事にする。
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