第9回テレビ局から国連へ 青山愛さん、10代「トイレ弁当」で知った痛み
ロシアの侵略が始まってからまもなく2年。ウクライナでは今も連日のようにロシア軍のミサイルやドローン(無人航空機)が襲来し、空襲警報が発令される。そのたびに青山愛(めぐみ)さん(35)のスマートフォンには、避難を呼びかける通知が浮かび上がる。
私のスイッチ 人生の決断
人生には様々な分かれ道があります。迷いや葛藤、別れ……。心の中の「スイッチ」を押して、新しい生き方を選んだ世界の人々の物語をお届けします。
2022年3月下旬から16カ月間、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の「報告担当官」としてキーウを拠点に、住まいを追われたウクライナの人たちの支援に携わった。
任期を終えて23年9月からはパリのユネスコ(国連教育科学文化機関)で働くが、携帯の空襲警報アプリは削除できずにいる。ウクライナで出会った人たちの顔が不意に浮かび、現地で任務を続ける同僚のことが気になる。
アナウンサーをやめて国連職員を目指した青山さん。その原点には、難民の人たちに通じる、ある「痛み」の経験がありました。
局アナで感じたやりがいと限界
7年前まではテレビ朝日のアナウンサーだった。「声なき声に光を」。大学時代にマレーシア研修で訪れた中東の衛星テレビ局アルジャジーラの事務所で、そのモットーを知り、テレビの仕事に興味を抱いた。スポットライトのあたらない人たちの声を社会に届けることを目指した。
最初の担当はニュース番組の…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら