管制官、海保機の進入表示気づかなかった可能性 システムは正常
東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上し5人が死亡した事故で、管制官が、海保機が滑走路に進入したことを知らせる監視システムの表示に気づかなかった可能性があることがわかった。斉藤鉄夫・国土交通相は5日夕、システムを常時監視するための人員を配置する対応を明らかにした。
羽田空港では、国交省航空局に所属する管制官が、レーダーなどで滑走路の状況を監視するシステムを使用している。滑走路に機体が進入すると、モニター画面の滑走路が黄色、機体が赤色で表示される仕組み。
国交省航空局によると、事故当時、システムは正常に作動していた。管制官が、画面の色変化に気づかず、海保機が滑走路に進入したことを覚知できなかった可能性があるという。ただ、国交省航空局の担当者は「管制官が自分の目で航空機などを見ながら管制をするときの補助的なもので、画面を凝視することを求められるものではない」と話す。
当時、管制塔全体は14~15人の管制官で担当していた。事故が起きたC滑走路は、滑走路と誘導路をそれぞれ1人ずつで担当していた。
現状では、管制官は1人で複数の機体を監視している。事故当時、C滑走路では、2~3分に1本のペースで航空機が離着陸していたという。
羽田空港では管制官の役割を見直し、6日からシステムを常時監視する人員を配置する。国交省はこのほか、再発防止のための緊急対策を、9日にも取りまとめて公表する方向という。
また、JALは5日、滑走路上に残っていた機体の撤去作業を始めた。7日夕までかかる見通しで、国交省は早ければ8日にもC滑走路の運用再開をめざすことを明らかにした。4日夕から機体の撤去作業を始めていた海保は海保機の撤去作業を終えたという。
事故の影響で5日も欠航が相次いだ。国交省によると、5日午後3時現在、218便が欠航した。6日はJALと全日本空輸(ANA)で196便、7日は194便が欠航という。ANAは6日の成田発着の国内線臨時便13便の運航を決めた。
ANAは8日から全便運航予定という。
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