記者コラム 「多事奏論」 編集委員・稲垣康介
読者の皆さんが「違い」を意識しているかはわからない。朝日新聞には「解説」と「視点」というカット付きの記事がある。
関心が高いニュースの背景を、その分野に詳しい記者が読み解く署名記事という点は同じだ。客観的に説明する「解説」と、筆者がどう思うかという見立ても盛りこむ「視点」。そんなすみ分けだと理解している。個人的には「視点」を書く方が好きだ。自分の主張を入れられ、筆致の自由度も高いと感じる。
ただ、テーマによっては、筆者の主張を前面に出すのをためらうニュースがある。今、悩ましいのは、ロシアの選手が今夏のパリ五輪に参加することを認めるべきか、それとも締め出すべきか。
国際オリンピック委員会(I…
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- 【視点】
ロシア選手のオリンピック参加、認めるべきなのか。このコラムの筆者、稲垣康介編集委員と議論になったことがあります。スポーツ界の原理原則からすれば、認めるべきでしょう。でも、選手は関係ないかもしれないけれど、戦争を起こして何の罪もない人まで殺し
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