重力波望遠鏡KAGRA、能登半島地震で故障 国際観測に参加できず

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村山知博
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 時空のゆがみが宇宙空間を伝わる重力波観測装置「KAGRA(かぐら)」(岐阜県飛驒市)が、能登半島地震のため故障して動かせなくなっていることがわかった。修理には少なくとも数カ月かかるため、3月に始まる国際共同観測に参加できない見通しだ。

 KAGRAは、東京大宇宙線研究所などが神岡鉱山の地下200メートルに164億円かけてつくった大型低温重力波望遠鏡。一辺3キロのL字形のパイプの中央から2方向にレーザー光を発射し、両端の鏡に反射して戻ってくるまでの時間差をもとに時空のゆがみをとらえる。2020年に観測を始めた。

 1日の能登半島地震の際、飛驒市では最大震度5弱を観測。東京大宇宙線研によると、地面からの振動を抑えるKAGRAの防振装置に不具合が生じ、レーザーの角度を調整する鏡の一つが動かなくなった。他に不具合がないか、真空の装置を開けて調べる予定だ。

 修理には数カ月以上かかると…

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この記事を書いた人
村山知博
科学みらい部
専門・関心分野
天文・宇宙、環境、エネルギー、原子力