「アグリー」「コンセンサス」 多用されるカタカナ語の効果とリスク

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富田洸平
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 「ローンチ」「コンセンサス」……。ビジネス界などでカタカナ語があふれ、社会にも染み出しています。なかには日本語でいいのではと思う用語も。なぜ、こうもわかりづらいカタカナ語が使われるのか。社会言語学者の井上逸兵・慶応大教授に聞きました。

 ビジネスの世界では、たしかにカタカナ語がよく使われていますね。近年は欧米流のビジネスの手法を勉強する人が増え、ビジネス書も英語などの翻訳が多い。それでカタカナ語が増えているのではないかと思います。コンピューター業界のように日々進歩している業界では、日本語ではどういう意味か、なんと言えばいいかと考えている暇がないという側面もあります。

 言葉には、情報伝達のほかに、その言葉を使うことで「自分は何者なのか」を示す機能があります。ビジネスの世界で使われるカタカナ語は、後者の機能を果たしているのではないでしょうか。

 つまり、顧客や同僚・上司に…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年2月2日5時0分 投稿
    【視点】

    なるべくカタカナ言葉は使わないように気をつけているけど、時々使っちゃいますね。「アグリー」とか「コンセンサス」とか「エビデンス」とか。ニュアンスまで含めて日本語で表現するのはちょっと難しい、という時です。使うのにはそれなりの理由が、ないわけ

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