第1回高学歴・高収入の親「失敗できない」 行き過ぎた教育で苦しむ子ども
高学歴で高収入の親ほど子どもの早期教育に走りがち――。専門家集団による親子支援事業「子育て科学アクシス」を主宰し、発達障害や不登校など生きづらさを抱える子どもたちに向き合ってきた小児科医の成田奈緒子さんはこう指摘します。行き過ぎた教育や偏ったしつけなどで子どもが心身に不調をきたし、アクシスに駆け込んでくるケースも後を絶たないそうです。早期教育の弊害とは? 話を聞きました。
――早期教育に熱心な保護者にはどんな特徴がありますか。
高齢出産が増えていますが、アクシスに相談にくる方たちを見ていると、早期教育に熱心な方たちは40歳前後で出産した方が多い印象です。
本人たちは「もうあとがないから子育てに失敗できない」と言う。経済的な余裕もある場合、子どもに際限なくお金を使え、あれもこれもと早期教育に走る傾向があると思います。
とくに幼稚園や小学校、中学校受験が盛んな都市部ではよりその傾向が強く、幼稚園や小学校受験のために幼いころから体操教室に通うケースも珍しくありません。
「リベンジ型」の親 夜中2時まで
――早期教育に走る背景には、学校や社会に対する親の不安も影響しているのではないでしょうか。
そうですね。「子育てに失敗…