ドラマ「大奥」「離婚しようよ」「不適切にもほどがある!」などで活躍中の俳優・仲里依紗さんは、演じる仕事の傍ら、200万近い登録数を誇るYouTubeチャンネルを持ち、アパレルブランドのプロデュースも手がけています。そうして今回、監督の仕事に初めて挑みました。テーマは芸能ジャーナリズム。SNS時代、スキャンダル報道に誰もが「参加」できてしまうことへの問題意識があったそうです。インタビューで聞きました。
仲さんが挑んだのは、WOWOWの「アクターズ・ショート・フィルム」。同じ予算や撮影日数などの条件下、複数の俳優が約25分のショートフィルムを制作し、最終的にはアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」のグランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」を目指すプロジェクトだ。
作品タイトルは、「撮影/鏑木真一」。主演は、仲さんが「大好き」だというお笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんで、芸能人のスキャンダルを追い続ける週刊誌のフォトグラファーを演じている。WOWOWオンデマンドで3月1日から配信、WOWOWプライムで3月15・22日に放送予定だ。
「やってみないか」と声がかかった当初、仲さんは正直、「いろんな作品を見ている『映画オタク』レベルじゃないとできない仕事だと思っていました。でも私はまだまだそこまでいっていない」と感じていたという。
それでもオファーに応じたのは、「経験しないと分からない」という思いから。原案として書いたテーマが「芸能ジャーナリズム」だった。
「間違っていても、信じちゃう可能性」
「今、知らぬ間に自分が『記者』側になっているかもしれない世の中。いろいろうわさとして広がっていくし、陰謀論もいっぱいある。間違っていても、信じちゃう可能性もありますよね」
「みんな、人のことを知りたすぎません? 知らなくていいことまで知ろうとしすぎている。『炎上』を見ていると、何が本当なのかと感じます。そんな社会をトピックにしようと思いました」
芸能スキャンダル報道の過熱は昭和の頃から問題だったが、今はSNSの普及とともに、誰もが「過熱」に参加しやすくなっている。
「しかも、『正義』だと思っ…
- 【視点】
仲里依紗さんに降参です。一言一言が含蓄に満ちたインタビューです。「知らぬ間に自分が『記者』側になっているかもしれない世の中」。なるほど、SNS社会の的確な言語化だなあと。「しかも、『正義』だと思ってやっていたりする」。なるほど、それがSNS
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