汚泥に土、ガレキや車両…処理水放出の影で残る福島第一原発の廃棄物

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福地慶太郎
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 雪まじりの雨が落ちる2月上旬の東京電力福島第一原発核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」を起こした1~3号機から南へ1キロ弱離れたサッカーコート3面分ほどの屋外エリアに、グレーの円柱状の容器などがずらっと並んでいた。

汚染水を処理するたび、発生する汚泥やフィルター

 中身は、汚染水の放射性物質をこしとったフィルターや汚泥。海に放出する「処理水」の状態にするために汚染水から大半の放射性物質を除去したり、溶けた核燃料(燃料デブリ)を冷やした水を再利用するために浄化したりと汚染水を処理するたび、こうした放射性廃棄物が生まれる。

 汚染フィルターや汚泥が入った容器の保管量は今年2月時点で計5708個。近年は年200個ほど増え続けている。

 「周辺の線量はそこまで高くないので、ああやって歩ける」

 東電の担当者が指さした先を見上げると、3段重ねの容器の上で働く作業員が見えた。

 汚泥などは非常に線量が高いが、容器そのものを放射線を遮れる素材にしたり、容器をコンクリートで囲ったりすることで、まわりの線量が上がらないようにしているという。

 担当者は「廃棄物の対応は2通り。処理水のように環境への影響がない形で処分するか、いずれ人の手を離れて最終処分ができるまで保管を続けるしかない」と説明する。

■「ほぼ全域が廃棄物の保管場…

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この記事を書いた人
福地慶太郎
科学みらい部|原子力担当
専門・関心分野
原子力、福島第一原発事故、生命科学