「ほめるな危険」心理学者が指摘 子どもを打たれ弱くさせる親の特徴
子どもはほめて育てよう――。約30年前に欧米の親や教師の言葉づかいを表面だけまねて採り入れた教育論は、瞬く間に日本にも広がった。だが子どもをほめて育てることは、弊害も大きいと心理学者の榎本博明さんは指摘する。「ほめる」の功罪を、榎本さんに聞いた。
――私は親からあまりほめられずに育ったので、わが子はほめて育てようとずっと思ってきました。
僕自身もあまりほめられずに育ちました。では、我々の世代が過剰にほめて育てられている今の子どもたちより駄目な人間かというと、そんな感じもしないですよね。
「頑張れない」「すぐあきらめる」「自己肯定感が低い」――。学校でも職場でも、傷つきやすい若者たちに手を焼いているわけです。常にほめられてポジティブな気分にさせてもらっていると、それが当たり前になる。だから、ネガティブな気持ちを持ちこたえられなくなってしまいます。
――でも、ほめることで自己肯定感は高まるのでは?
残念ながら、ほめられても自己肯定感は育ちません。自己肯定感という言葉は、2000年代に入って僕たちの研究グループが使い始めたのですが、それまでは「自尊感情」という言葉が使われてきました。
「べたべた」な日本の親子
欧米社会では「自分はすごい…
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