繰り返される受験願書の出し忘れ 忙殺される教員 防ぐ手立ては

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福井万穂 松本江里加
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 教員が生徒から預かった入学願書を出し忘れるなどして、生徒が受験の機会を失うトラブルが全国で後を絶たない。福岡市の中学校では今年の入試で、高校側が受験を拒否し、その後特例措置で認める事態も起きた。こうしたミスを防ぐ手立てはないのか。

 今年2月、福岡市の私立博多女子中学校の生徒3人が、教員のミスで志望高校の願書を受理されないトラブルが起きた。

 同校では毎年、生徒の願書を志願校別にとりまとめ、教員が手分けをして各高校に直接持参していた。周辺市町でつくる組合立の古賀竟成館(きょうせいかん)高(福岡県古賀市)は3人が志望。願書の提出期限は同月16日正午だった。

 だが担当教員は、県立高の期限だった20日正午と混同。期限より2時間遅れて願書を持参したが受理されなかった。校長は高校側に「生徒のミスではないので、何とか受理してもらえないか」と打診したが、「公平を期すため」として認められなかったという。

 組合教育委員会によると、出願は、志願する生徒全員の書類をまとめて持参するよう各中学に求めている。県立高を管轄する県教委も同様で、願書に添える調査書などは中学校側が作成するため、まとめて提出すれば効率的だからだ。また、生徒が個別に提出に訪れると、高校側の事務負担が増すという。

 今回の事例では、トラブルが報道された約1週間後、組合教委が特例的に生徒3人に受験の機会を設けることを決めた。事故や病気など「生徒本人の責めに帰すことができない理由」で受験できなかった生徒向けの「追選抜」の制度を準用できると判断したという。一方、願書を受け付けなかった点は「例外なく、締め切り順守を求める立場に変わりはない」としている。同教委や学校は、3人が実際に受験したかどうかなどは明らかにしていない。

 博多女子中は今後、願書の提出スケジュールを複数の教員で確認できる態勢を整えるなどして、再発防止を図ることにしている。

生徒が賠償求め訴訟も

 同様のミスは、これまでも全国でたびたび起きている。

 2018年に兵庫県で県立高…

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この記事を書いた人
福井万穂
西部報道センター|行政
専門・関心分野
沖縄、水俣、教育
松本江里加
西部報道センター
専門・関心分野
地方創生、子どもの権利、福祉,など
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    増谷文生
    (朝日新聞論説委員=教育)
    2024年4月2日21時15分 投稿
    【視点】

     あってはならないミスの一つですが、各地で起きていることがわかります。  いくつかの対策が実際に行われ、効果を挙げているところもあるようです。ただ、1カ所に集まってもらう方法も、人口の多い県では混乱も起きそうで、どの方法も完璧ではなさそうで

    …続きを読む