「ザ・日本人」強要してない? “純血”意識、ドイツはこう変わった

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聞き手・石川智也
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日独二刀流のマライ・メントラインさんに聞く

 今年のミス日本コンテストで、ウクライナ生まれの椎野カロリーナさんがグランプリに選ばれた。途端にSNSでは「どう見ても外国人」「どこが日本人なの?」などと中傷する声が上がった。ミスコンの是非やルッキズムの問題はさしあたり措(お)き、「日本的な美」といえば直毛の黒髪――。そんな幻想の根強さも感じられる。様々なルーツを持つ同胞がますます増えているのに、なかなか「日本人」の自画像は更新されていないようだ。

 日本に住み16年、翻訳家や著述家として活躍するドイツ人のマライ・メントラインさんは、そうした単一民族幻想の強化にメディアが一役買ってきた、と見る。ドイツもかつては日本同様に民族や純血への志向が強かったとされるが、人々の意識はかなり変わってきたという。

「私たち」って誰? 「私」は入っているの?

 日本に暮らして17年目になりました。永住許可も得ているので、マインドとしては半分日本人……いや、正確に言えば、ドイツ人であり同時に日本人という感覚かな。ただ、日本は重国籍を認めていないので、日本国籍は取得していません。

 時々テレビの討論番組に出演しますが、求められる役割はいつも「外国人」。国籍からすれば事実なので仕方ないですが、自分としては、この国の未来に責任を持つ一員という意識があるので、モヤモヤします。だから「私たち」と口にする時、一瞬言葉に詰まります。どういう意味で受け止められるだろう、って。自分でも、そこに私自身が入っているのか、考えてしまうのです。

 でもイエス・ノーをはっきり…

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この記事を書いた人
石川智也
オピニオン編集部
専門・関心分野
リベラリズム、立憲主義、メディア学、ジャーナリズム論
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    真鍋弘樹
    (朝日新聞フォーラム編集長=社会、国際)
    2024年4月9日17時38分 投稿
    【視点】

    移民を受け入れたことによるドイツ社会の意識の変化について、メントラインさんが語っていることがたいへん参考になります。いったい、何が「ドイツ人」を決めるのか。行動か、言語か、価値観か、遺伝子か、見た目か……。そこで浮かび上がったのは、「私た

    …続きを読む