四国電力の純利益が過去最高の605億円に 宮本常務が社長に昇格
四国電力が4月26日発表した2023年度連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が過去最高の605億円に上った。前年度の228億円の赤字から833億円改善した。本業のもうけを示す営業利益は785億円で、前年度の122億円の赤字から907億円改善した。
燃料価格が4~9月を中心に大きく下がったが、「燃料費調整制度」で燃料価格の変動分が電気料金に反映されるまでに3~5カ月のタイムラグがあるため、約285億円の差益(期ずれ差益)が生じ、利益を押し上げた。また、昨年6月に家庭向け規制料金を引き上げたことで75億円の増益効果があった。
4月26日の記者会見で、値下げの意向を尋ねられた長井啓介社長は「今年の夏、ささやかなりとも、お客様の負担を軽減すべく、料金割引キャンペーンを検討している」と答えた。
24年度は期ずれ差益がなくなるため利益の大幅減少を予想する。営業利益は前年度比345億円減の440億円、純利益は245億円減の360億円の見通しだ。
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四国電力は4月26日、取締役常務執行役員で総合企画室長の宮本喜弘氏(61)が社長に昇格し、長井啓介社長(67)が代表取締役会長に就く人事を内定し、発表した。6月26日の定時株主総会での承認などを経て就任する。社長交代は5年ぶり。佐伯勇人会長は退任し、特別顧問に就く予定。
宮本氏は徳島県阿波市出身。1985年に京都大工学部を卒業して四電に入った。経営企画部長などを経て2021年から現職。
26日の記者会見で「電力の安定供給を通じて地域の発展に貢献していくという当社の基本的使命を肝に銘じ、経営課題に全力で取り組んで参りたい」とあいさつした。