早稲田大生殺害、内ゲバ事件を映画化 「社会の記憶として共有を」

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編集委員・北野隆一
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 半世紀前の政治闘争の時代を題材にドキュメンタリー映画を撮り続けてきた代島治彦(だいしまはるひこ)監督(66)が、1972年に大学生がリンチされ死亡した事件を扱った新作「ゲバルトの杜(もり)~彼は早稲田で死んだ~」をつくった。焦点は、学生運動や新左翼党派間の暴力闘争である「内(うち)ゲバ」だ。

 内ゲバは「内部(ないぶ)ゲバルト」の略。ゲバルトはドイツ語で暴力を意味する。72年の連合赤軍事件を含め、80年代までに計100人以上が犠牲になったともいわれる。

 代島さんは成田空港反対闘争を描いた「三里塚に生きる」(2014年)、「三里塚のイカロス」(17年)の2作の後、67年にベトナム戦争に反対する学生が警官隊と衝突し死亡した事件を追った「きみが死んだあとで」を2021年に制作した。

著者が名乗り出たことがきっかけに

 この映画上映のイベントで代…

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この記事を書いた人
北野隆一
編集委員
専門・関心分野
北朝鮮拉致問題、人権・差別、ハンセン病、水俣病、皇室、現代史