言われるがまま寄付した…母の突然の告白 旧統一教会と闘う娘の9年

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島崎周
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 「私が全部、寄付しちゃった」。母の告白からすべてが始まった。

 2015年の盆。60代の女性は、当時86歳だった母が1人で住む実家に1週間ほど帰省していた。夕食後の居間でテレビをみながら、09年に亡くなった父の思い出話をしていた。

 たびたび話題にのぼるのが、父の財産のこと。証券会社で資産運用などして潤沢な遺産があったはずだが、不思議なことにほとんど残っていなかった。

 「お金、なんでなくなっちゃったんだろうね」

 これまで母に聞いても「分からない」と口をつぐむばかりだったが、この日は違った。

 「お父さん、何かで失敗したんじゃないの?」。女性がそう続けると、母は「失敗したんじゃないよ」と漏らした。

 そして、はき出すように「全部、寄付しちゃった」と言った。

 「どこに?」と問い詰めると、母の口から初めて出てきたのが「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)」だった。

 「こんなにお金に困ったことはない。もう嫌だ」。母はせきを切ったように打ち明け始めた。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への献金をめぐり、返還請求などをしないとする「念書」の有効性が争われている裁判で、最高裁が当事者双方の意見を聞く弁論が6月10日に開かれ、判決は7月11日に指定されました。母の告白を受け、娘が旧統一教会に対峙してからの9年をたどりました。

 母が教団施設に行き始めたの…

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
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