「返還請求しない」念書は有効か 旧統一教会への献金、最高裁で弁論

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遠藤隆史
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に、母親(故人)が高額献金をした60代女性が、教団側に献金したうち6580万円の賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(堺徹裁判長)は10日、当事者双方の意見を聞く弁論を開いた。主な争点は、母親が「教団側に賠償などを求めない」と記した念書の有効性で、遺族側が「無効」、教団側は「有効」と訴えて結審した。判決は7月11日午後3時に指定された。

 教団の献金をめぐる訴訟で、最高裁が判断を示すのは初めて。弁論は二審の判断を変えるのに必要な手続きで「念書は有効で教団側を提訴できない」として、女性側の訴えを退けた一、二審判決が見直される可能性がある。

 二審・東京高裁判決によると、親族に誘われ入信した母親は75歳だった2004年以降、果樹園を売却したり、寝たきりの夫の資産を使ったりして1億円超を献金した。教団側が家族による返還請求を懸念し、15年に「献金は自由意思で行ったもので返還請求は一切行わない」などと書かれ、母親が署名押印した念書が作成され、公証役場で私署証書の認証を受けた。教団側はその後、念書の内容が自らの認識に合うかなどの質問に、母親が肯定する様子を動画で撮影した。

女性側「教団の強い心理的影響下」

 母親は念書作成の約半年後…

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この記事を書いた人
遠藤隆史
東京社会部|最高裁担当
専門・関心分野
司法、労働、福祉
旧統一教会問題

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