安心して託せる国立公文書館に 福田康夫さんと五百旗頭真さんの思い

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編集委員・藤田直央
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現場へ! 「公的な私文書」を生かす④

 3月に亡くなった五百旗頭(いおきべ)真・神戸大学名誉教授は、首相や側近が残した「公的な私文書」に関わる多くの仕事をしてきた。昨年末に会うと、関心の鋭さは健在だった。

 「そういう文書の保存をどうするか、みんな悩んでいる。ちょうど国立公文書館を新しくする話があり、旧知の福田康夫さんとも話しています」

 福田氏が首相の頃に手がけ、2009年にできた公文書管理法で、歴史的に重要な文書を東京・北の丸公園の公文書館に移すルールが整った。10年代に満架に近くなり、東京・永田町の憲政記念館敷地への移設が17年に決定。新施設は29年度末にできる見通しだ。

 五百旗頭氏は公文書館側にも直接、「移設を機に文書を受け入れる態勢を柔軟にしては」と対応を求めていた。

 相手は館長を13~21年に務めた加藤丈夫氏。「公的な私文書」の収集を進め、遺族が扱いに困っていると知ると自ら出向くほどだった。

 5月に加藤氏を訪ねた。

 「国政の判断に関わる記録を…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史