「あなたのクリリンに選ばれた」 ドラゴンボールと歩むサッカー人生

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聞き手・富田洸平
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 「私たちはサッカーとドラゴンボールで育った」「誰もが悟空になる夢を見る」――。3月、漫画家の鳥山明さんの訃報(ふほう)に対して、各国のサッカーリーグやクラブチームから哀悼の声が相次ぎました。

 サッカーJ1サンフレッチェ広島のマルコスジュニオール選手も、ドラゴンボールで育った一人。「クリリン」の愛称で呼ばれるマルコス選手に、サッカー人生におけるドラゴンボールの存在について聞きました。

 「ドラゴンボール」は、母国ブラジルでもとても人気があります。有名なテレビ番組のなかでアニメが放送されていて、みんなが見ているんです。ぼくも子どもの頃、いとこを呼んで一緒に見ていました。

 やっぱり戦闘シーンが面白かったですね。エピソードの終盤では、強い敵を倒せるか、というところで1話が終わるでしょ? 次回が気になり、「本当に倒せるの」とか「こうやって倒す」とか、学校でみんなで話すんです。当時はネットもなくて結末を調べられないので、想像しながら次回を楽しみに待ちました。それも人気の理由ですよね。

 ぼくは、主人公・悟空が小さい頃に牛乳を配達して修行するシーンが好きなんです。ひたむきに修行して、自然体でいる悟空はクールだと思います。そういう何げない場面もいいなと感じます。ほかのキャラクターもみんな好きで、絵を描くこともはやっていました。

 ドラゴンボールは、サッカーサポーターの間でも人気なんです。悟空の親友である「クリリン」の愛称をつけられたのは2015年。スキンヘッドが同じだったからですね。対戦相手のチームにゲーム「ポケットモンスター」にちなんだ「ピカチュウ」という名前の選手がいて、サポーターは「クリリン対ピカチュウだね」と言って盛り上がっていました。それが面白くて、ドラゴンボールの歴史やストーリーを詳しく調べ、ぼくもクリリンが好きになりました。

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