第1回なかったことにはできない 同級生探しあて裏付けた30年前の出来事

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なかったことにはできません~性被害からの30年の闘い~(第1回)

 今年3月、30年前に担任の先生から性被害を受けたと訴えた男性の主張を認める逆転判決が東京高裁で出た。証明が難しい30年前の性被害が認められた根拠は、法廷に駆けつけた当時の同級生たちの証言だった。

 「完全に支配されていた」

 東京都内に住む石丸素介さん(40)は取材に、小学4年時の担任だった40代の男性教諭との関係をそう振り返った。

 学校での休み時間だった。教室の教員用机のいすに座る教諭に呼ばれ、ひざの上に座るように指示された。座ると、半ズボンの隙間から手を入れられ、陰部を触られた。

 所属していたサッカー部の練習後も、自宅まで送るから教室まで来るように言われ、服を脱がされて抱きしめられたり、陰部を触られたりすることが複数回あった。

 「悪いことをされているような気はしたけど、何が起きているのか、よくわからなかった。とにかく先生に反発するのが怖かった」

 まもなく体調を崩し始めた。食欲がわかず、吐き気をもよおすようになった。無理に食べて嘔吐(おうと)することもあった。

 高校に進んだものの退学した。めまい睡眠障害などの症状が出て、日常生活に支障をきたすようになった。精神科のクリニックを受診すると、うつ病と診断された。

30年前の性被害と闘うことを決意した男性や、証言に立った当時の同級生、弁護士の姿を3回連載で描きます。

打ち明けた被害

 母親の勧めで別の病院を受診…

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この記事を書いた人
米田優人
東京社会部|東京地裁・高裁
専門・関心分野
司法、刑事政策、消費者問題、独禁法
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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2024年7月18日20時29分 投稿
    【視点】

    第3回の最後まで読んで、同級生の助けに感動しました。 被害者の方はよくあきらめずに裁判に訴えることができましたね。最高裁の判決が待ち遠しいです。 このシリーズではスポーツと性暴力の話もいくつか、紹介されています。 裁判沙汰になったもの

    …続きを読む

連載なかったことにはできません 性被害から30年の闘い(全3回)

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