復旧工事は進んだ、集落は消えた 過疎地の災害復興のあり方とは

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飯島健太 池田良 伊藤隆太郎
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 災害の被害に遭った全国の過疎地で、大がかりな復旧・復興工事が進む一方、住民が地域の外に流出する動きが繰り返されてきた。4年前の熊本豪雨と7年前の九州北部豪雨に襲われた地域でも、こうした状況はなお続いている。

 深い山あいを縫うように、熊本県南部を流れる球磨(くま)川。川に沿って走る国道を、土砂を積んだ3~4台のダンプが列をなして行き来する。

 2020年7月4日の熊本豪雨で氾濫(はんらん)した川の泥水や土砂に襲われた球磨村では、建物の全壊と大規模半壊、半壊が計457件にのぼるなど約1400世帯の3割超が被災した。

 国土交通省八代河川国道事務所によると、国は次の氾濫時には浸水を防げるよう総額1540億円をかけ村内11カ所で計6・4ヘクタール、土地を最大3・9メートルかさ上げする工事に着手し、25年度末の完成を目指す。村外を含む球磨川流域では堤防や遊水地の整備、川の掘削なども進める。

 球磨川と支流の川内川に挟ま…

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この記事を書いた人
飯島健太
西部報道センター
専門・関心分野
イランを中心とした中東政治、国際政治、核問題、事件、災害