旧統一教会に「賠償求めない」念書は無効 高額献金、最高裁が初判断

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遠藤隆史
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に、母親(故人)が高額献金をした60代女性が、教団側に賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(堺徹裁判長)は11日、信者だった母親が「教団に賠償を一切求めない」と書いた念書を「公序良俗に反し、無効」と判断した。

 教団の献金をめぐる最高裁の判断は初。念書の有効性▽宗教団体の献金勧誘の違法性――を判断する二つの枠組みも初めて示した。その上で、念書を「有効」として女性を敗訴とした一、二審判決を破棄し、献金の勧誘をした教団信者の行為の違法性を再び検討させるため、審理を東京高裁に差し戻した。ただ、今回の献金の経緯を「異例」と評価し、違法性があることも示唆した。裁判官5人全員一致の結論。

念書は公序良俗に反して無効

 第一小法廷はまず、「賠償を求めない」との合意は憲法が保障する「裁判を受ける権利」を制約するため、有効性は「慎重に判断すべきだ」と指摘。当事者の属性や相互の関係、合意の経緯や目的、当事者が受ける不利益などを総合考慮し、「公序良俗に反する場合は無効」と述べた。

 そして、女性の母親が、念書…

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この記事を書いた人
遠藤隆史
東京社会部|最高裁担当
専門・関心分野
司法、労働、福祉
旧統一教会問題

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