甲子園初勝利も部員数は増えず 県立高の悩み、今後は「地域移行」も

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黒田陸離
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 第106回全国高校野球選手権山口大会の開幕を目前に控えた7月上旬、光の室内練習場には小気味よく打球音が響く。だが定期試験中の自主練習日で雨天だったこともあり、バットを振っていたのは10人ほどだった。野球部で17年間指導する川上健一郎部長(63)が首をかしげる。

 「今年の新入部員は多いと思ってたんですけどね……」

 光は山口県東部の瀬戸内海を臨む県立校。一昨年の秋に地元出身の選手のみで中国大会で準優勝し、初出場した昨春の選抜大会で甲子園初勝利を挙げた。その活躍を見て進学した今年の1年生は相当増えると見込んでいたが、ふたを開けてみると選手は昨年と同じ15人にとどまった。現在は選手40人、マネジャー10人で活動している。川上部長は「ぜいたくだとはわかっているんですが、甲子園に出れば(部員が)増えるという話でもなくなってきている」と話す。

 今夏の大会に向け、朝日新聞では「部員数確保の工夫」について全国の高校に尋ねた。その中で「グラウンドの貸し出し」を挙げた学校がいくつかあった。光もそのうちの一つだ。

 日本高校野球連盟の規定では…

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この記事を書いた人
黒田陸離
ネットワーク報道本部|大阪駐在
専門・関心分野
地方取材、スポーツ、平和、人権