「大会に出られん、何を目標に…」ただす父親、主将の娘が出した答え
「走った!」。練習試合のグラウンドから女性の声が飛ぶ。
淀商業高(大阪市西淀川区)の永宮来夢(らむ)さん(3年)はポニーテールを揺らしながら二塁のベースカバーに入り、捕手からの送球を捕った。
淀商硬式野球部で初の女性主将だ。
小学生の頃に兄と野球を始めた。以来、野球一筋。だが、中学では親に反対され陸上部に入部届を出された。
陸上競技では兵庫県大会で優勝した。強豪校から推薦も来たが、「どうしても野球がしたい」と受けなかった。硬式野球部とソフトボール部がある淀商に入った。
だけど野球部は、女性がすぐにプレーできる環境になかった。ソフトボール部へ入部したが、先輩が1人だけ。1人で練習する日も多かった。
校庭の反対側で硬式野球部が練習していた。よくボールが飛んできた。
「何でとられへんの、私ならもっとやれるわ」
1年の冬、外野ノックを申し出た。部員不足で楠山友貴監督から「助っ人」を頼まれ、二塁手に入るようになった。
捕手からの送球がひざに当たり、骨折した。それでも入部したかった。父には「ケガもする。夜も遅くなる。しかも大会に出られへん。何を目標にするんか」と反対された。
どれだけ練習しても公式戦に…
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