「相互扶助」で続いた自民派閥 総裁選から見えてくる「復活の形」

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アナザーノート 藤田直央編集委員

 自民党は裏金事件を機に、岸田文雄首相が率先して自身の派閥の解消を表明し、党も「派閥禁止」を掲げたが、今後どうなるのか。今回はそれを探りたい。

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 岸田氏は今月上旬、安倍晋三元首相の三回忌の集会でのあいさつで、「政治資金をめぐって国民の厳しい声が突きつけられている。党改革を進めていかなければならない」と語ったが、先は見えない。まずは歴史を振り返ってみよう。

 自民党の派閥の誕生は結党翌年の1956年総裁選がきっかけだ。渦中にあった石田博英・元労働相が63年の論考で述べている。「いろいろな集団が保守合同で一党となり、そこへ総裁選がぶつかって、七個師団三連隊という派閥が表面化した。石橋湛山氏を総裁に選ぶとき、私は四個師団の連合ができれば成功という作戦計画を立てた」

 2位の石橋氏が3位の石井光…

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    牧原出
    (東京大学先端科学技術研究センター教授)
    2024年7月27日14時32分 投稿
    【視点】

    総裁選後を想像してみましょう。派閥の合従連衡で新総裁が選ばれたとして、さて党三役・閣僚を派閥推薦で選んだらどうなるでしょうか。国民から総スカンを食らうのはほぼ間違いありません。今度の総裁選後、新総裁は派閥推薦の人事をとることは想定しにくいと

    …続きを読む