無差別に銃撃…バングラデシュ学生デモ 明かされた5日間の「暗闇」
バングラデシュで起きた、公務員の採用を巡る学生らの抗議デモは、少なくとも150人が死亡する事態に発展した。デモが収束に向かうなか、遮断されていた通信環境が回復し、若者らが銃撃された過酷な「5日間」が見えてきた。
デモの発端は、独立戦争(1971年)従事者の家族に公務員採用枠の3割を与えるという優遇措置を巡る動きだった。反対意見が根強く、政府は2018年に撤廃を決定。だが、高等裁判所が今年6月に政府決定を覆す判断を示した。これを受けて7月初旬、学生を中心に行進や短時間の道路封鎖によるデモが始まり、全国に広まった。
「学生デモがここまで拡大するとは本当に驚き」。23日夜、首都ダッカの大学職員の日本人女性は電話取材にこう話した。約5日ぶりにWiFiなどのネット通信が一部復旧したという。
ニュースサイトも閲覧しにくい状態だったが、地元紙デイリースターは23日にウェブサイトを更新し、「木曜日(18日)に国全体のデジタルが暗闇に包まれた」と、国外からは見えなかった5日間の様子を詳細に伝えた。
通信遮断の間、バングラデシュでは何が起きているのか、国外からは不明瞭な日が続きました。「ヘリから銃撃」「軍が問答無用に…」。現地にいた女性が証言します。
報道によると、抗議中の男子大学生が警察に射殺される事案が16日に発生。「警察は暴力でしか解決できない」「人を殺すな」と、学生の怒りが爆発した。
18日にはデモ隊が車や建物…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら