死者150人、日本支援のメトロ襲撃…バングラ学生デモ、なぜ暴徒化

有料記事

バンコク=笠原真
[PR]

 バングラデシュで今月、公務員採用を巡る反発から起きた学生デモは、150人以上が死亡する惨事になった。デモ隊が一部暴徒化し、日本の支援でできた鉄道駅も破壊された。なぜ暴動に発展したのか。

 「日常が戻ってきた感じだ」。デモが落ち着いた24日、首都ダッカに駐在する日本人男性(49)はそう話した。外出禁止令はまだ出ているが、治安対策として政府が遮断したネットは復旧。街のカフェは満席だったという。

 抗議デモは、1971年の独立戦争に従事した兵士の家族に公務員採用枠の30%を与える優遇措置が原因だった。政府が2018年に廃止を決めたが、高等裁判所が今年6月に覆し、学生らの抗議が激化。治安部隊の弾圧も強まった今月18~19日に死者が急増した。

テロ犠牲者の「結晶」ダッカメトロまで襲撃

 目撃者によると、当初学生中心だったデモには、一般市民や野党関係者も加わったという。デモ隊は建物に放火したり、国営放送局や政府関連施設を襲撃したりするなど暴徒化した。

 日本の支援で22年に開業し…

この記事は有料記事です。残り627文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
笠原真
ヤンゴン支局長兼アジア総局
専門・関心分野
紛争、難民、格差