敦賀2号機、廃炉の瀬戸際 活断層否定できず、それでも粘る原電

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三浦惇平 森下友貴 福地慶太郎
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 原子炉直下に活断層がある恐れは否定できない――。日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の十余年におよぶ論争に、原子力規制委員会は大きな結論を下した。このままでは再稼働は不許可の見通しで、原電は大きな決断を迫られている。

 日本原子力発電の剱田裕史副社長は審査会合後、「(規制委の結論は)議論を尽くした結果だと思います」と険しい表情で語った。

 敦賀原発2号機は、東海第二原発茨城県)とともに、会社を支える両翼だ。それが、廃炉が現実味を帯びたことで、一転して重荷となりそうだ。

 原電は原発専業の会社として、つくった電気を大手電力5社に供給することで収入を得てきた。東京電力福島第一原発事故後、2基とも止まったままだが、5社から「基本料金」を受け取り、維持費に充ててきた。2023年度の売上高967億円のうち、基本料金が9割超を占める。敦賀2号機を廃炉にすれば、その多くを失いかねない。さらに、計画段階の3、4号機の進展にも支障をきたす可能性もある。

 審査を乗り切るため、大手電力は、敦賀2号機から電力を受け取る契約を結ぶ関西、中部、北陸の3社を中心に、強力にバックアップしてきた。再稼働で先行する関西電力からは原発部門の幹部を招き入れ、他の大手からも技術的な助言を得た。

 だが、審査は原電の思惑通りには進まず、社内では打開策の検討に入っていた。この日の会合では審査を継続するため、新たな調査を盛り込んだ「補正書」を出す方針を表明。それでも規制委が追加調査を判断材料に加えない場合は、改めて審査を求める「再申請」なども視野に入れる。

 原電幹部は「規制委とけんか…

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この記事を書いた人
福地慶太郎
科学みらい部|原子力担当
専門・関心分野
原子力、福島第一原発事故、生命科学