Q&Aで解説 北海道・札幌市の「GX金融・資産運用特区」とは?
化石エネルギーが中心の産業や社会の構造を、クリーンエネルギー中心へと転換するGX(脱炭素化、グリーントランスフォーメーション)。気候変動に対応するための第一歩として期待も高い。北海道と札幌市はGXに関わる産業や金融機関、投資マネーを呼び込み、地域経済を成長させようともくろむ。GXは北海道を変えるのか――。
Q なぜいまGXが注目されているの?
A 気候変動が地球規模の課題となり、「脱炭素社会」の実現が急務となっているからだ。脱炭素の動きは世界各国で活発化している。新たな市場や需要が生まれれば、産業競争力の強化や経済成長にもつながる。日本政府も2023年にGX推進法やGX推進戦略をつくり、後押ししている。
Qどうやって脱炭素化を進めていくの?
A 日本経済をGX型に移行するため、政府自らGXの重点分野に投資をして民間の投資を促す。官民あわせて10年間で総額150兆円規模を目指す。政府は投資のための国債を総額20兆円分、発行する。返済には28年度から導入される二酸化炭素を排出する化石燃料に対する賦課金などを充てて、50年度までには返済を終える計画だ。
Q 北海道はなぜ熱心なの?
A 政府は21年の骨太の方針に「ゼロカーボン北海道」を盛り込み、北海道を「脱炭素」の先進地に位置づけている。道内は太陽光や風力、中小水力など再生可能エネルギー源が豊かで、導入ポテンシャルは全国トップクラスだ。広大な土地をいかして、デジタル化で需要拡大が見込まれるデータセンターや半導体工場の新設も相次いでいる。今後、洋上風力や水素などの関連産業の発展や、スタートアップの創出・育成が進めば、地元経済の活性化や国全体のエネルギー安定供給、カーボンニュートラルへの貢献につながると期待されているよ。
Q 北海道と札幌市が選ばれた「GX金融・資産運用特区」って?
A 「金融・資産運用特区」…