映える「農」いいね! 海南を若手農家で盛り上げ
若手農家のリーダー的存在だ。
中西康介さん(40)は、和歌山県海南市でミニトマトやブルーベリーなどを育て、仲間と一緒に野菜を売る「ナイトマーケット」も開く。農業で地域を盛り上げたいと、イベントにも積極的に参加する。
きつい、汚いなどと言われることもある農業だが、「『かっこ悪い』というイメージは、農家自身がそう思っているからじゃないか」。キラキラした姿を見せたいと、インスタグラムで農作業の様子や旬の農産物の情報などを発信し続ける。
代々の農家に生まれた。大学を卒業後、大阪などで不動産、人材派遣の仕事を経験。自分で事業をしたいとの思いが強く、三重県伊賀市の観光体験農園で2年間の農業研修後、2011年にUターン就農。そこから走り続けてきた。
父親が花を栽培していたため、3年ほど手伝った。しかし、すでに結婚し、子どももいたため、お金になる作物としてミニトマトに注目。地域の先輩らに教わって栽培を始め、経営の柱に育てた。さらに、父親が植えたブルーベリーをもっと活用しようと直売に取り組み、ブルーベリー狩りができる観光農園にした。6次産業化として、ブルーベリーのスムージーやジャム、トマトジュースなども販売する。自分が好きだからと、シャインマスカットの栽培も始めた。
インスタに力を入れるようになったのは、新型コロナ禍がきっかけだった。直売を拡大する必要を感じ、個々の消費者に中西農園を知ってもらうため、本気になった。最初は、あえてブランド物のおしゃれな服を着て畑に出るなど、目を引く工夫もしてみた。そのかいあってか、「いま、直売所に来てくれるお客さんの7、8割はインスタを見てくれている感じ」という。
農家仲間と一緒に、「ナイトマーケット」も始めた。それは、「夜に野菜を売ったらおもしろそう」との思いから。旬の野菜や加工品などを販売する。いまは月に1回。場所は、自園の直売所だが、ゆくゆくは、規模を拡大し、海南の名所にしたいという。また、外国人観光客も念頭に、夏場のブルーベリーだけでなく、和歌山特産のミカンの観光農園もできないかと考えている。「いまある地域の資源を組み合わせれば、新たな価値を生み出せると思う」
大学時代にアメフト部の主将を務めたこともあり、前に出たり、人をまとめたりするのは得意だ。「笑っているところに人は集まってくる。だから、自分も楽しんでやっていきたい」
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら