介護予防や自立に「男の料理教室」好評 65歳以上の男性対象に
東京都千代田区が料理初心者の高齢男性を対象に、買い出しから調理、食事、片付けまで行う「男の料理教室」を開いている。料理を通して、家にこもりがちな高齢男性に自立や介護予防を促す取り組みだ。
万世橋区民館に8月8日、15人の男性が集まった。対象は65歳以上。この日は6~8月に全8回開かれた教室の最終回で、ギョーザを作った。
まず、スーパーに買い出しに行く。豚のひき肉、キャベツ、ギョーザの皮、ごま油などを買ってくると、エプロンと三角巾を身につけ、3~4人の班ごとにレシピを見て話し合いながら、キャベツを切ったり具材を皮で包んだりした。
管理栄養士の高田和美さんが「食中毒に気をつけて、しっかり手洗いしましょう」などとアドバイス。参加者は、フライパンで焼いたギョーザを一緒に味わった。
三石宣史(のぶし)さん(66)は昨年退職し、何か新しいことをしようと参加した。「料理は全くだめでしたが、自分でもできるようになり、楽しいですね」。自宅で昼食を作ることもあり、妻に喜ばれるという。
教室は、高齢男性が栄養の知識を学び、自身で健康管理できるようにと、昨年始まった。現在は9~11月の回を開催中(途中参加不可)で、参加者はハンバーグステーキや海鮮あんかけ焼きそば、すき焼きなどを作る。次回は12~来年1月に開かれる予定だ。
「包丁を握ったことがない」という人も、教室で調理の手順や栄養の知識を学び、自宅で料理をするようになった人も多いという。区在宅支援課の家入亜実さんは「高齢男性の自立や社会参加を促し、介護予防につなげたい」と話している。