スタートアップ不毛の地から脱却を 名古屋大とステーションAi連携
松島研人
10月末に名古屋市昭和区の鶴舞公園のそばで開業する国内最大のスタートアップ(新興企業)支援拠点「ステーションAi」と名古屋大学は20日、連携して起業家を支援するための基本合意書を結んだ。
合意書によると、ステーションAiに入る起業家が、名古屋大学にあるスーパーコンピューター「不老」や3Dプリンターといった研究設備を使えるようにする。また、同大の学生たちがステーションAiを利用したり起業家と交流したりすることを想定している。
同大の杉山直総長は会見で「学内に眠る起業の種を掘り起こし、成長させることで、名古屋大からスタートアップがどんどん増えていくことを期待している」と話した。
愛知はトヨタ自動車などの大企業が集積する一方で、スタートアップについては「不毛の地」とも言われてきた。
ステーションAiの佐橋宏隆社長は「愛知は県内に本社があるオーナー企業が多く、意思決定が早いのが強み。製造業や航空宇宙産業にも強いので、スタートアップとの親和性は高い」と分析し、「名古屋大の研究シーズ(種となる研究成果)を生かし、最先端の技術を扱うスタートアップを育てたい」と語った。