災害時の孤立集落に危機感 能登半島地震後、33道府県が調査へ
元日の能登半島地震の後に、33道府県が災害時に孤立する恐れのある集落の調査を実施、予定していることが朝日新聞のアンケートで分かった。うち約8割は内閣府が2014年に行った全国調査以来、10年ぶりの調査となり、孤立集落の把握が全国的に進められている。
能登半島地震では24地区(3345人)が最長で2週間以上、9月の豪雨でも115地区が孤立し、救助や支援の遅れにつながった。
アンケートは9月末から10月中旬に47都道府県に行い、1月以降、22道府県が調査を実施、11県が予定と回答。静岡や岐阜、山形の3県が毎年行っているほか、27道府県が「能登半島地震をきっかけに行う」と答えた。
2004年の新潟県中越地震では多くの集落が孤立し、内閣府は05~14年に計3回、全国調査を行い、孤立可能性集落が約2万に上ることが分かった。25道県が今年1月以降、14年以来となる調査を実施や予定している。
「同じく半島を有する。孤立集落対策のさらなる充実・強化を図る必要」(北海道)や「(14年調査から)状況の変化等が想定されたことから、改めて県で調査を実施」(佐賀県)などの理由が挙がり、多くの自治体で調査結果の集計を進めている。
記事後半では、能登で孤立した集落の住民たちに、実際に何が困ったのか、聞きました。関東では、孤立可能性がある集落のうち1割しか備蓄をしていないという県も
元日の能登半島地震では多くの集落が孤立し、住民らは、水や電気がなく、携帯電話もつながらない不安な日々を過ごした。リスクを減らすため、専門家は孤立の恐れがある集落の事前把握と、備蓄の必要性を指摘する。
能登の孤立集落、その時何が
沿岸部から約5キロ離れた石川県輪島市門前町浦上。元日、野中アツ子さん(76)は、帰省中の子どもら家族10人と自宅横のビニールハウスで一夜を明かした。自宅はひびが入り、山あいの集落から外につながる道は、倒木と隆起で通れなくなっていた。
毛布をかぶり、余震と寒さに…